「サックスって、演奏したあとどうすればいいの?」
楽器を買ったばかりの方が意外と困るのが、この「お手入れ」です。
ネットで調べると「スワブ」「クリーニングペーパー」「パウダーペーパー」と聞き慣れないカタカナがずらり。
何をどの順番でやればいいのか、さっぱりわからない――そんな方も多いのではないでしょうか。
でも安心してください。サックスの日常のお手入れは、たった5ステップ、5分で終わります。
この記事では、演奏後に「毎回やること」と「ときどきやること」を分けて解説します。
順番に読んでいけば、初心者の方でも今日から正しいお手入れができるようになります。
- 演奏後に毎回やるべきお手入れ5ステップ(所要5分)
- 週1〜月1でやる「ときどきメンテナンス」
- お手入れに必要なグッズとおすすめ商品
- やってはいけないNG行動3つ
- 年1回の定期メンテナンス(楽器店に出すタイミング)
そもそも、なぜサックスはお手入れが必要なの?

「面倒くさいから、ケースにそのまましまっちゃダメ?」
気持ちはわかりますが、これは絶対にNGです。
サックスを吹くと、息に含まれる水蒸気が管の内部で結露して水滴になります。
これをそのまま放置すると、タンポ(音孔を塞ぐパッド)が劣化し、キイの動きが悪くなり、最悪の場合は高額な修理が必要になります。
タンポの全交換は数万円かかることもあります。
毎回たった5分のお手入れで、この出費を防げると思えば、やらない理由はありませんよね。
お手入れ=楽器を長持ちさせる「節約術」です。
【毎回やる】サックス演奏後のお手入れ5ステップ
演奏が終わったら、以下の5ステップを順番にやるだけです。慣れれば5分もかかりません。
ステップ1:管内の水分を出す

長時間吹いていると、U字管(楽器の底のカーブ部分)に水が溜まります。
ひっくり返すだけでかなりの水分が出てきますので、最初にこれをやりましょう。
ステップ2:本体にスワブを通す

次に、ネック(上部の曲がった管)をサックス本体から外します。
注意:スワブはベル側から通してください。
ネック側(上)から通すと、スワブの先端についた金属の重りが管の内側にぶつかり、凹みの原因になります。
とくにアルトサックスやテナーサックスでは、この向きを必ず守りましょう。
スワブが途中で詰まった場合は、無理に引っ張らないでください。
入れた方向にそっと引き戻し、スワブの紐のねじれを直してからやり直します。
ステップ3:ネックとマウスピースにスワブを通す
マウスピースはサックス本体から外し、表面の水分をクロスで拭いてから、マウスピース用のスワブを1回通します。
終わったらマウスピースキャップをつけて保護しましょう。
ステップ4:タンポの水分を取る

ここがいちばん大切なステップです。
水分を放置するとタンポが硬くなり、音孔をきちんと塞げなくなります。
クリーニングペーパーを二つ折りにして、タンポと音孔の間に挟み、キイを数回パタパタと開閉します。
これで水分が紙に吸い取られます。
ポイント:紙を挟んだまま引っ張らないでください。
タンポの表面を傷つけてしまいます。挟む→パタパタ→外す、の動作で水分を取りましょう。
すべてのキイで同じことを行いますが、特に楽器の上部にある小さなキイ(ハイキイ/パームキイ)は水が溜まりやすいので、念入りにやりましょう。
初心者の方が見落としやすい部分です。
ステップ5:表面を拭いてケースにしまう

指紋や皮脂がついたまま放置すると、ラッカー(塗装)が劣化する原因になります。
力を入れてゴシゴシこする必要はなく、さっと撫でるように拭けばOKです。
拭き終わったら、ネックのキャップをつけてケースに収納します。ネックキャップは接合部分を保護するためのものなので、必ずつけてしまいましょう。
毎回のサックスのお手入れ:まとめ一覧
| 順番 | やること | 使うもの | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 管内の水分を出す | タオル | 30秒 |
| 2 | 本体にスワブを通す | クリーニングスワブ | 1分 |
| 3 | ネック・マウスピースにスワブを通す | ネックスワブ/クロス | 1分 |
| 4 | タンポの水分を取る | クリーニングペーパー | 2分 |
| 5 | 表面を拭いてケースにしまう | ポリシングクロス | 30秒 |
合計:約5分で完了です。
【ときどきやる】サックス週1〜月1のメンテナンス
毎回のお手入れに加えて、少し頻度の低いメンテナンスもあります。
コルクグリスを塗る(週1〜2回程度)
ネックとサックス本体の接合部分にはコルクが巻いてあります。
コルクグリスを少量指に取り、コルク部分にまんべんなく塗り込みます。
ハンドクリームを肌に馴染ませるイメージで、ベタベタにならない程度でOKです。
はみ出た分はティッシュで拭き取りましょう。
新品の楽器はコルクが硬いので、最初のうちは少し多めに塗ってなじませるのがコツです。
キイオイルを差す(月1回程度)
キイの接合部分(ネジの周辺)にキーオイルを1滴ずつ差します。
キイの動きがスムーズになり、ガチャガチャという金属音を防げます。
差しすぎるとタンポにオイルが付着してしまうので、ほんの1滴で十分です。
トーンホールの掃除(月1回程度)
音孔(トーンホール)の周囲にホコリが溜まることがあります。
トーンホールクリーナーや柔らかい綿棒を使って、やさしく掃除しましょう。
キイは少しの力で曲がってしまうほどデリケートなので、絶対に力を入れないでください。
サックスのお手入れに必要なグッズ一覧
「何を買えばいいの?」と迷う方には、**ヤマハのお手入れセット(KOSSAX5)**が最も手軽です。
スワブ、クリーニングペーパー、ポリシングクロス、コルクグリスなど、必要なものが一式揃っています。
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セットに含まれる主なグッズは以下のとおりです。
クリーニングスワブ:管内の水分を拭き取る布。サックス本体用とネック用があると便利です。
クリーニングペーパー:タンポの水分を取る薄い紙。消耗品なので多めにストックしておくと安心です。市販のあぶらとり紙でも代用できますが、目が粗いものは避けましょう。
ポリシングクロス:楽器の表面を拭く柔らかい布。メガネ拭きのようなマイクロファイバー素材が理想です。
コルクグリス:ネックのコルク部分に塗る潤滑剤。リップクリームに似た形状で、少量を指で塗り込みます。
これらはすべて「初心者が揃えるもの一覧」の記事でも紹介していますので、楽器と一緒にまとめて購入するのがおすすめです。
関連記事:初心者が揃えるもの一覧>>

サックスのお手入れでやってはいけないNG行動3つ

初心者の方がやりがちな、楽器を傷めてしまう行動を3つ紹介します。
- 演奏後にお手入れせずケースにしまう
- スワブをネック側から通す
- キイを自分で曲げて調整しようとする
NG① 演奏後にお手入れせずケースにしまう
前述のとおり、水分を放置するとカビ・錆び・タンポの劣化を招きます。
「今日は疲れたから…」と思っても、せめてスワブを通してタンポの水分だけは取ってからしまいましょう。
最低限この2つだけなら2分で終わります。
NG② スワブをネック側から通す
スワブの重りが管の内側を叩いて凹みを作る原因になります。必ずベル側から通してください。
NG③ キイを自分で曲げて調整しようとする
「なんだかキイの動きが悪いな」と感じたとき、自分で曲げて直そうとするのは絶対にやめてください。
サックスのキイは非常に精密で、素人が触るとバランスが崩れて余計に悪化します。
キイの不調は楽器店のリペアマン(修理技術者)に任せましょう。
サックスは年1回は楽器店で定期メンテナンスを

日々のお手入れをしっかりやっていても、タンポの劣化やキイバランスの微妙なズレは、どうしても少しずつ進みます。
全体調整の費用は楽器店によりますが、一般的に5,000〜15,000円程度。
日々のお手入れをきちんとやっていれば、タンポ交換などの高額修理を避けられるので、トータルではかなりの節約になります。
楽器を買ったお店であれば、購入後の初回点検を無料で行ってくれるところもあるので、購入時に確認しておくと良いですよ。
まとめ:サックスは5分のお手入れが楽器を何年も長持ちさせる

サックスのお手入れと聞くと難しそうに感じますが、やることはシンプルです。
これだけです。5分で終わります。
この5分の習慣が、タンポ交換(数万円)やキイの修理を防ぎ、楽器を何年も良い状態で保ってくれます。
大切なサックスを長く楽しむために、演奏後のお手入れを「練習の一部」として習慣にしていきましょう。
関連記事:楽器の選び方>>

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